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読書の時間 ’13の26 [本(海堂 尊)]

26 外科医 須磨 久善 (講談社)☆☆☆☆☆ 海堂尊

外科医 須磨.JPG

 またまたまた、海堂先生の本です。
 (あまりにも続いたので、海堂先生の本は取りあえずこの本で休憩します。)


 日本が世界に誇る(心臓)外科医 須磨久善先生のことを書いた本です。
 もちろん実在する先生で、NHKのプロジェクトXにも出演されています。

 海堂先生と須磨先生が実際に会ったのは、映画化された「チーム・バチスタの栄光」の医療監修を須磨先生が引き受けて現場で会った最初だったようです。
 (当然、海堂先生は須磨先生の存在は知っていたようです。)

 海堂先生は、作品の中も地域、病院等のモデルはあっても、登場人物のモデルはいないと語っていたと記憶しているのですが(ジェネラル・ルージュの伝説の資料で)、この本を読んで須磨先生の経歴を見ると「ブレイズメス1990」「スリジェセンター1991」に登場する天才心臓外科医、モンテカルロのエトワール、天城雪彦。
 そして、海堂先生のデビュー作「チーム・バチスタの栄光」は須磨先生という存在にインスパイアされて書くことのできた作品とこの本の中で語っています。

 本で掲載されている内容から、須磨先生の経歴をまとめますと

 兵庫県の神戸市出身。
 甲南中学時代にテレビドラマ「ベンケーシー」に憧れて2年生の時に医師になることを決断。
 大阪医科大学に入学。
 心臓外科医になると公言していたので、誰もが母校、大阪医大の胸部外科教室に入局すると思っていた。
 
 実際は、虎の門病院で一般外科の初期研修を行う。
 後に順天堂大学の胸部外科教室を経て、大阪医大胸部外科教室に。

 人工心臓を埋め込んだ患者のニュースを聞き、実際に見たくなる。
 アメリカ・ユタ州のソルトレイクシティ・LDSホスピタルというユタ大学の関連病院に留学をします。
 (母校からの強いオファーで留学は半年で終わるが、須磨は強い刺激を受けます)

 帰国した須磨医師は、大阪医大の冠状動脈バイパス外科チームのヘッドになります。
 (チームバチスタの栄光に似ていますよね)
 ここで、胃の大網動脈を使った冠状動脈バイパス術(CABG)を世界で初めて完成させる。(この術で患者の生存率を驚異的にあげます。天城雪彦にそっくり)

 三井記念病院の循環器外科部長に招聘。
 41歳になったとき、海外での公開手術の要請を受けます。
 このときまでに、CABGを200例以上経験していました。
 この公開手術も無事成功させます。

 公開手術とは、聞きなれない言葉ですが、簡単に言うと手術を公開することだそうです。
 当然手術室の衛生管理は保たれていますが、術者の頭にCCDカメラをつけ、リアルタイムで手術の映像を流し、傍聴者からの質問にも答えるんだとか。凄いですよね。

 後に、ローマ・カトリック大付属のジェメリ総合病院の客員教授になります。
 ここは、バチカンが資金をだし、ローマ法王をはじめバチカンの要人が入院するイタリアでも最高の病院。
 病院での業務も気に入り一時期ローマへの移住も考える須磨医師ですが、地元神戸を阪神淡路大震災が襲い状況が一変します。

 日本に帰国した須磨医師は、以前手術を行っていたモンテカルロのモナコ胸部心臓病院のような病院をつくることを胸に誓います。
 新しい術式「ミッド・キャブ」と「バチスタ」を携えて。

 なかなか話が進まない中、徳洲会グループ代表の徳田虎雄がスポンサーとして名乗りを上げます。
 須磨医師は、湘南鎌倉総合病院に入ります。
 そこで、日本で最初のバチスタ手術を行いますが、術後12日目で亡くなってしまいます。
 非常に落ち込む須磨医師ですが、遺族の感謝の手紙等に励まされ、ついにはバチスタ手術の進化系「スマ手術」を完成させます。
 
 そしてついに「葉山ハートセンター」の設立、成功に導きます。
 この本の執筆時の2008年には心臓血管研究所にいます。

 
 ざっくりと書いてしまいましたが、医師になることに決めた「ベン・ケーシー」のようにとどまることを知らず、前に向かって患者、病人を救いたいと思っているスーパードクターのようです。

 字で書くと軽くなりますが、「日本が世界に誇れる偉人」そんな気分になった本です。
 私は地元の図書館で借りましたが、図書館にも多くあると思いますので(ほかの紹介本もあり)是非一読してみてください。

 
 表紙についてちょっと書いてみます。
 須磨医師に海堂先生が「本物の外科医とは」の問いに
 「本物の外科医は背中で語る。それが出来なければ一流の外科医とは言えない。」と語っています。
 かっこいいです。
 だからこの表紙なんだと思いました。

 それでは[手(パー)]


 
外科医 須磨久善

外科医 須磨久善

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/07/22
  • メディア: 単行本




タッチ・ユア・ハート

タッチ・ユア・ハート

  • 作者: 須磨 久善
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/06/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




須磨久善 心臓外科医―課外授業ようこそ先輩別冊 (別冊課外授業ようこそ先輩)

須磨久善 心臓外科医―課外授業ようこそ先輩別冊 (別冊課外授業ようこそ先輩)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: KTC中央出版
  • 発売日: 2001/10
  • メディア: 単行本




プロジェクトX ザ・マン―すべては感動からはじまる

プロジェクトX ザ・マン―すべては感動からはじまる

  • 作者: 須磨 久善
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2002/11
  • メディア: 単行本



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読書のすすめ&海堂ワールド [本(海堂 尊)]

以前のブログで書きましたように海堂先生の著書と概略を時系列で表してみたいと思います。


kaidou takeru.jpg

写真は海堂先生です。

基本は「玉村警部補の災難」(宝島社)と「ジェネラル・ルージュの伝説」(宝島社)に掲載されていた桜宮市年表を元にしています。

物語に出てくる「桜宮市」は熱海あたりを想定しているようです。
そして、東城大学医学部付属病院は、母校である千葉大学医学部をモデルにしているそうです。
極北市は当然夕張市。浪速市は大阪市。
(ジェネラル・ルージュの伝説の資料に書いてありました)


1870年頃 碧翠院、桜宮病院 建設

1971年 極北大学医学部内科助手 渡海一郎、東城大学医学部
     内科講師に就任。

1988年 高階が帝華大学医学部より講師として赴任する。
      世良雅志、東城大学医学部総合外科学教室(佐伯外科)に入局。
      花房美和、手術室1年目(21歳)。
      東城大学医学部の学生 田口、島津、速水がベッドサイド・ラーニング(臨床実
     習)をする。指導医は世良。
      桜宮市、ふるさと創生一億円事業で桜宮水族館別館「深海館」に黄金地球儀を設
     置。      


     ブラックぺアン1988(読書の時間’13の18

        
ブラックペアン1988

ブラックペアン1988

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/09/21
  • メディア: 単行本


        
     ひかりの剣読書の時間’13の23

        
ひかりの剣

ひかりの剣

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/08/07
  • メディア: 単行本



          
1990年 モンテカルロ・ハートセンターより天才外科医、天城雪彦が来日。

     ブレイズメス1990読書の時間’13の22


ブレイズメス1990

ブレイズメス1990

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/07/16
  • メディア: 単行本




    
1991年 田口公平・精神内科、速水晃一・総合外科、島津吾郎
     放射線科にそれぞれ入局。

                   
     スリジェセンター1991(未読)

         
スリジエセンター1991

スリジエセンター1991

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/10/25
  • メディア: 単行本



     (10月)城東デパート火災

     ジェネラル・ルージュの伝説(既読、未掲載)
                   

ジェネラル・ルージュの伝説 海堂尊ワールドのすべて

ジェネラル・ルージュの伝説 海堂尊ワールドのすべて

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2009/02/20
  • メディア: 単行本



1999年 桜宮少年通り魔事件

2000年 田口公平、講師・医局長に就任

2001年 オレンジ新棟完成
      速水晃一、救急救命センター部長に就任。
      花房美和、同センター看護師長に就任。

2002年 高階、病院長に就任。

2003年 田口幸平、不定愁訴外来開設

2005年 桐生恭一、臓器統合外科助教授に就任

     チーム・バチスタの栄光読書の時間’12の74


チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 単行本




2006年 バチスタ・スキャンダル

      加納警視正、桜宮署へ出向

     ナイチンゲールの沈黙読書の時間’12の75


ナイチンゲールの沈黙

ナイチンゲールの沈黙

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2006/10/06
  • メディア: 単行本



      エシックス・コミティ発足
      三船事務長就任
      ショッピングモール「チェリー」開店
       
     ジェネラル・ルージュの凱旋読書の時間’12の77


ジェネラル・ルージュの凱旋

ジェネラル・ルージュの凱旋

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2007/04/07
  • メディア: 単行本



     螺鈿迷宮読書の時間’12の124


螺鈿迷宮

螺鈿迷宮

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/11/30
  • メディア: 単行本




2007年 「神々の楽園」事件
      田口、厚生労働省会議出席

     イノセントゲリラの祝祭読書の時間’12の108


イノセント・ゲリラの祝祭

イノセント・ゲリラの祝祭

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2008/11/07
  • メディア: 単行本




      今中良夫、極北市民病院に外科部長として就任
        
     極北クレイマー読書の時間’13の24


極北クレイマー

極北クレイマー

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2009/04/07
  • メディア: 単行本





2008年 医療事故調査委員会設立委員会創設
      極北市民病院産婦人科部長、三枝久広 逮捕
 
     極北ラプソディ(既読、未掲載)


極北ラプソディ

極北ラプソディ

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2011/12/07
  • メディア: 単行本



      浪速地検特捜部、厚生労働省強制捜査
     
     ナニワ・モンスター(既読・未掲載)


ナニワ・モンスター

ナニワ・モンスター

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/04/21
  • メディア: 単行本




     ジーン・ワルツ読書の時間’13の21


ジーン・ワルツ

ジーン・ワルツ

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/03
  • メディア: 単行本




     マドンナ・ヴェルデ読書の時間’13の25

マドンナ・ヴェルデ

マドンナ・ヴェルデ

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 単行本




      セント・マリアクリニック開院


2009年 桜宮AIセンター創設
      新型インフルエンザ「キャメル」浪速市で発生 

     アリアドネの弾丸読書の時間’12の117


アリアドネの弾丸

アリアドネの弾丸

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2010/09/10
  • メディア: 単行本



     ケルベロスの肖像読書の時間’13の20



ケルベロスの肖像

ケルベロスの肖像

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2012/07/06
  • メディア: 単行本



2010年 社会保険庁解体
      未来医学探求センター創設
      人工凍眠法成立

     モルフェウスの領域(既読・未掲載)


モルフェウスの領域

モルフェウスの領域

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/12/16
  • メディア: 単行本



2013年
     
     夢見る黄金地球儀(既読、未掲載)


夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア)

夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 単行本






2020年 曾根崎薫、中学一年生からとび級で東城大学医学部総
      合解剖学教室に入学。

     医学のたまご(既読、未掲載)


医学のたまご (ミステリーYA!)

医学のたまご (ミステリーYA!)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 理論社
  • 発売日: 2008/01/17
  • メディア: 単行本





最近、海堂先生の作品しか紹介していないので、そろそろほかの作家さんの作品をご紹介する予定です。
一つを書いてから(笑)

それでは[手(パー)]
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読書の時間 ’13の25 [本(海堂 尊)]

25 マドンナ・ヴェルデ(新潮社)海堂尊 ☆☆☆

マドンナ・ヴェルデ.JPG

 一人娘に突然「ママ、私の子供を産んでくれない」こんなことを言われたら・・・
 日本ではまだ認められていない代理母出産に関する小説です。

 桜宮市の「メゾン・ド・マドンナ」というマンションに1人で住んでいる山咲みどり。
 (海堂ファンならご存知かもしれないが、極北市から桜宮市に移り住んだ桜宮小百合、南雲親子とみどりはこのマンションですれ違ている。たしか「アリアドネの弾丸」で・・・。その時小百合だけがみどりを妊婦とわかる。)
 マンションからは桜宮丘陵が見える。
 そしてその丘には東城大学医学部付属病院が見える。
 
 ジーン・ワルツ(読書の時間’13の21)の主人公で顕微鏡下人工授精のエキスパート、曾根崎理恵の母親が山咲みどり。

 人工授精による代理母出産を依頼者(娘、曾根崎理恵)から見た話が「ジーン・ワルツ」、受託者(母、山咲みどり)から見た作品がこの「マドンナ・ヴェルデ」というわけです。

 みどりの夫、貴久は、みどりが31歳、理恵が2歳の誕生日を迎える一か月前に突然の脳出血で亡くなっている。
 それ以降、みどりの両親を援助を得つつも二人で生活してきた。
 理恵は、東城大学医学部を卒業後、帝華大学医学部産婦人科学教室で助手をしている。
 また、理恵は曾根崎伸一郎と学生結婚をした。
 伸一郎は現在アメリカのマサチューセッツ大学に行っており、理恵が伸一郎の所に行った際に妊娠したのだが、理恵は先天的に双角子宮であることが判明し、受精卵が二つの子宮の双方に着床していることが判明。
 そして、堕胎、子宮摘出をし、子供が出来ない体になってしまった。

 その理恵から「私と伸一郎の子供を産んでくれない」と衝撃的な告白を受ける。
 
 戸惑いながらも、子どもを産めなくなった理恵のために代理母出産を受託する。
 そして理恵から「今の法律では、母親は赤ちゃんを実際に産んだ女性になる」ことを教えられる。
 孫を出産する祖母。
 遺伝子上の母親。法律上の母親。

 日付の計算がしやすいようにと元旦に措置をする。
 3個の受精卵を入れてそのうち2個が着床、妊娠に成功した。
 双子だ。
 
 妊娠後、離婚した伸一郎と理恵。
 そんな娘に「子育て」に対する不安を抱き始める妊婦のみどり。
 
 代理母を受託する際から、マサチューセッツの伸一郎と手紙のやり取りをしているみどり。
 (普段から連絡方法としてメールをしようしている伸一郎は手紙が苦手らしい。意思の疎通を図るため、みどりから食事に関する記載を進められ手紙を書いた日の食事について書き始める伸一郎。これがのちに「医学のたまご」で子供とメールするときにも残る。)
 出産、子供にあまりにも無関心の内容を記載する伸一郎に戸惑いながらも、みどりは生まれてくる子供の将来のために親権を主張するように説得し始める。

 出産予定場所は、マリア・クリニック。
 理恵が非常勤で診察している個人病院。
 地域医療が崩壊しかけている中、極北市での誤認逮捕をきっかけに地域の産婦人科医の閉院に加速がついている。
 理恵が尊敬している三枝茉莉亜院長だが、病気で余命いくばくもなく、息子が極北市で逮捕されてしまったこともあり、今受診中の5人の妊婦の出産を最後に閉院する予定だ。

 様々な思いを持ち、出産予定日(帝王切開)が迫ってくる。
 理恵が本当に子供が欲しい理由が「産婦人科医の窮状と代理母を社会に提起するためで、子供たちも後に代理母出産の子供だと公表する」だと知る。
 生まれてくる子供(孫)の将来を心配するみどりは、伸一郎に親権を主張させ自分がシッターとして育てていこうと決断するみどり。

 みどりの出産の日に、他の4人も産気づいてしまった。
 5人の妊婦の出産に追われるマリア・クリニック・・・




 「代理母」「親権」「地域医療の崩壊」等々色々の問題を提起している作品です。
 読まれる際には、「ジーン・ワルツ」とともに読まれると面白いと思います。
 それでは[手(パー)]

 


マドンナ・ヴェルデ

マドンナ・ヴェルデ

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 単行本





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読書の時間 ’13の24 [本(海堂 尊)]

24 極北クレイマー(朝日新聞出版)海堂尊 ☆☆☆☆

極北クレイマー.JPG

 財政破綻寸前であえぐ北海道の極北市。
 そこにある「極北市民病院」が舞台。

 バブル期に建設した各種の施設が多額の赤字を生み出している。
 そんな極北市の市民病院に極北大学医学部より外科医師として「今中」が派遣される。
 教授の主張に異議を唱えたための左遷だ。

 市民病院は、病院長と市役所から派遣されている事務長が対立。
 地方公務員という地位に甘え、不衛生でカルテ管理もずさんで、怠けきっている病院スタッフ。
 唯一、産婦人科部長の三枝のみが市民の期待を背負っている。

 そんな中、ある妊婦が帝王切開による出産で不幸にも母子ともに亡くなってしまう。
 出産も100%安全ではないのだ。
 今の日本ではそのような神話があるが・・・
 

 病院側の説明に納得した遺族であったが、そんな夫の前にある人物が現れる。
 医療ジャーナリスト、西園寺さやか。

 自らも医療ミスで後遺症を負って、医療事故に隠された真実を被害者(遺族)に示すのだという。
 さやかにそそのかされ市役所を訴えを起こす夫であったが、市役所側は「ことなかれ主義」をだし医療事故調査委員会で犯罪性なしとした報告書を示談に持ち込むため、医療事故、過失があったという報告書に作り替え、示談を申し出る。

 本当はこの報告書が狙いだったのに・・・

 形式だけの産婦人科学会の上層部の書面とともに証拠は固められる。

 そして、三枝部長は逮捕されてしまう。
 
 三枝部長は、ジーン・ワルツ(読書の時間’13の21)に出てくる三枝院長の息子である。
 そして、前回の「ひかりの剣」でも書いた「清川」と友人でもある。

 三枝部長で持っていたような市民病院は、この事件で患者が一気に遠のく。
 市民病院存続の危機である。

 西園寺さやかとは、「螺鈿迷宮」での唯一の生き残り、桜宮小百合。
 そして、極北市監察医務院院長の南雲も加わり、追い詰められる極北市の地域医療。

 そんな中、ワンマンだった市長が倒れ、ついには財政再建団体に指定されてしまう極北市。
 財政再建団体の指定とは、民間の会社でいうところの倒産である。
 市町村、自治体が破産したことに。

 そこに厚生労働省から病院再建を託されたとある人物が現れる。
 
 この物語は次回作「極北ラプソディ」に繋がっていく。



 極北市は、夕張市をモデルにしている。
 海堂先生自身が夕張市にも取材に行っている。
 地域医療の崩壊を地方公共団体の財政破綻という形でわかりやすく書かれております。 

 海堂先生のフアンだとこの作品だけでは物足りない感があるかもしれませんが、極北ラプソディを楽しむためにはこの本を読んでおくとより楽しめます。
 海堂先生の作品は登場人物の過去の背景等が結構重要になっている作品が多いのですが、シリーズの中で「北」といわれている「極北市」はこの作品で始まるので読みやすいと思います。
 
 
 それでは[手(パー)] 


極北クレイマー

極北クレイマー

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2009/04/07
  • メディア: 単行本





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読書の時間 ’13の23 [本(海堂 尊)]

23 ひかりの剣(文芸春秋)海堂尊 ☆☆☆

ひかりの剣.JPG

 読書の時間’13の18で紹介した「ブラック・ぺアン1988」と時期は一緒。
 ブラック・ぺアンが新人医師「世良」を主人公として東城大学付属病院の話であったのに対し、本作品は東城大学医学部の学生だった速水晃一(後のジェネラル・ルージュ)と帝華大学医学部の学生清川吾郎(ジーン・ワルツなどにも出てきます)が主人公。

 医学部運動部の剣道部の大会、東日本医科学生体育大会 剣道部門(通称 医鷲旗大会)で優勝を争う物語。
 その旗を手にした覇者は、外科の世界で大成するという言い伝えがある。 

 本の帯には「チーム・バチスタ」×「ジーンワルツ」との記載があります。
 先ほどちょっと書きましたが、「ジェネラル・ルージュの凱旋」「ジェネラル・ルージュの伝説」「極北ラプソディ」で主人公、主要登場人物として登場する速水と外伝的な産科、人
工授精、代理母問題のシリーズの「ジーンワルツ」の準主人公の清川、「極北クレイマー」にも登場するのでそのように書かれているのでしょう。

 速水は、後に3年間の話で、北海道の極北救急救命センターの副センター長に、清川は帝華大学医学部産婦人科学教室で准教授になっている。

 また、帝華大学のことを「日本の学力偏差値の頂点にいる」という記載から、東京大学を想定していることがわかります。
 
 バチスタシリーズで高階病院長が「東城大の阿修羅」と呼ばれることがありますが、それもこの本でわかります。

 高階病院長は、剣道の達人で帝華大医学部剣道部で医鷲旗大会で優勝し、その時の姿から、「阿修羅」と呼ばれていました。
 
 作品は、剣道に打ち込む医学部大学生の話ですが、先ほど書いたようにシリーズの主要人物となってくる速水と清川の青春時代の武道に打ち込む青春物語となっておりますので、海堂ワールド、バチスタシリーズを詳しく知りたい人には必読ですね。

 海堂先生が、後に「ジェネラル・ルージュの伝説」で楽しくかけた一冊との紹介があります。
 実は海堂先生も大学時代に剣道をやっていたそうです。
 
 そういう意味では、海堂先生にしては珍しく自分の経験を表に出した作品といえるかもしれません。
 図書館にもおいてあると思うので、一読を。


 本を読むのに良い時期になりました。
 「梅雨」に入った地域もありますが、そんな時は自宅で読書でもいかがですか?

 それでは[手(パー)]


ひかりの剣

ひかりの剣

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/08/07
  • メディア: 単行本





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読書の時間 ’13の22 [本(海堂 尊)]

22 ブレイズメス1990(講談社)海堂 尊 ☆☆☆☆

ブレイズメス1990.JPG

 ブラックぺアンシリーズ?第2弾。
 ブラックぺアン(読書の時間’13の18)に引き続き東城大学医学部総合外科学教室の新人医師「世良雅志」が主人公。

 物語は、垣谷講師と世良がニースで開催される国際循環器病学会に参加するところから始まる。
 普通であれば喜んでもおかしくない海外出張だが、世良は気が重い・・・
 病院長になった佐伯教授から内密の指令を受けていたからだ。
 その内容は「シンポジストの一人、モンテカルロハートセンターの天城雪彦部長に手紙を渡すこと」。

 学会をキャンセルした天城に何とか手紙を渡すが、天城から知らされたその内容は「桜宮心臓外科センター センター長として天城を招聘する」ものであった。
 世良は何とか天城を日本に連れて帰るが、天城の基本的な考え方が大学病院を震撼させる。

 ここで天城についてちょっとご紹介。(次の本でも中心人物なので)
 天城雪彦(あまぎ ゆきひこ)
 モンテカルロ・ハートセンター外科部長。
 冠状動脈バイパス手術の慣性系「ダイレクト・アナストモーシス(直接吻合法)」が世界で唯一行える外科医。
 この手術で失敗したことがなくその功績により、モンテカルロ王室より「エトワール(星)」という称号を得ている。
 公開手術も5回?経験している。
 そんな天城の元には世界中から患者が押し寄せますが、彼の主義として全財産の半分を要求されそれを飲まないと手術をしない。
 日本の医術の考え方には大きく外れ、周りとトラブルを起こします。
 しかし、本を読んでいただくとわかりますが、天城のそんな考え方も理解できます。

 東城大学に赴任した天城は、「スリジェ(さくら)・ハートセンター」(佐伯病院長の言うところの桜宮心臓外科センター)の設立に向け活動をはじめます。
 センターの設計に友人でモナコ公国の第7皇位継承者で、建築家のマリツィア・セバスティアン・シロサキ・クールピアを桜宮市に呼びます。
 そして、センター建設資金の一部として、日本胸部外科学会(東京国際会議場メインホール)で日本初の公開手術を行うことを発表する。

 反対意見が噴出するものの、「公開手術」を無事成し遂げてしまう。
 (舞台裏で世良医師と花房看護士は交際を始める。物語には関係ないような出来事だが、後のバチスタシリーズで花房看護士(後に看護師長)は速水部長と極北救急救命センターに移っていくのだから・・・しかし、この二人の関係は「極北ラプソディ」で完結している。「ジェネラル・ルージュの凱旋」での花房しか知らない人は、是非この本と「極北ラプソディ」を読んでほしい)
 
 公開手術が成功した舞台裏で、サザンクロス心臓疾患専門病院のミヒャエル部長と桐生恭一(後にチーム・バチスタを率いる外科医)が会話している。
 
 公開手術の翌日、天城は2人の男とホテルで会う。
 日本で有数の自動車メーカー、ウエスギモーターズの上杉会長と桜宮市の釜田市長の懐刀、村雨秘書である。
 上杉会長は重度の心臓病、つまり天城の手術を受ける。そして桜宮市に・・・

 ここに出てくる村雨秘書は、「ナニワ・モンスター」で浪速府の府知事になります。

 ここまで順調に言っているのに、スリジェ・ハートセンターは建設されないらしい。
 同じ場所に後年Aiセンターが建設されるのだから。

 その謎は、続編の「スリジェセンター1991」でわかると思うのですが、私の住んでいるし印西市の4つの図書館に各一冊づつ所蔵されているのですが、貸し出し予約だけで31人おりますので当分読めない・・・

 でも、この本は海堂先生の本を読んだ、読んでみたい人にとっては、お勧めする一冊です。
 文中にも書きましたように、「チーム・バチスタの栄光」の桐生恭一がなぜアメリカに渡ったかがわかるし、「ナニワ・モンスター」の村雨府知事の前身もわかります。
 本当は、この本と「スリジェセンター1991」を続けて読むと凄い良いと思います。

 自分の気持ちが相当入ってしまいましたね(笑)
 それでは[手(パー)]


ブレイズメス1990

ブレイズメス1990

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/07/16
  • メディア: 単行本



何故最近更新があるのか?


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読書の時間 ’13の21 [本(海堂 尊)]

21 ジーン・ワルツ(新潮社)海堂尊 ☆☆☆☆

ジーン・ワルツ.JPG

 バチスタシリーズの外伝的な物語。
 東城大学医学部を卒業し帝華大学医学部産婦人科学教室に入局した産婦人科医、曾根崎理恵32歳が主人公。

 顕微鏡下人工授精のエキスパートである彼女に「代理母出産」に手を染めているとの噂が・・・

 地域医療、特に産婦人科の営む開業医の崩壊と人の命について、人工授精から問う作品です。
 
 バチスタシリーズのようにこの作品もいろいろな作品と絡んでおります。
 個人的には「ジーン・ワルツシリーズ」と思っています。(笑)

 他の登場人物としては、帝華大学医学部産婦人科学教室 准教授 清川吾郎。
 (「ひかりの剣」で登場します。)
 理恵が非常勤で通っているマリアクリニックの院長、三枝茉莉亜。
 (「極北クレイマー」で不当に逮捕されてしまう極北市民病院の産婦人科部長、三枝久広の母。三枝部長の実家がマリアクリニック)
 そして、清川吾郎と三枝久広は友人。
 具体的に本書には出てきませんが、理恵の夫、曾根崎伸一郎。
 世界的なゲーム理論の権威でアメリカに滞在。

 
 来院者の減少、院長の病気で閉院の危機にあるマリアクリニックの最後の患者として、5人の妊婦が通います。
 様々な状況で妊娠した5人ですが、そのうち2人は人工授精。
 そして、代理母が・・・

 結局は子どもの産めない体になった理恵が、自分の母に頼んで代理母出産をするのですが。
 
 人の命について考えさせられる1冊になっております。

 先ほど、ジーンワルツシリーズと書いたのでちょっとご紹介します。

 
 マドンナ・ヴェルデ(新潮社) 個人的には未読
 


マドンナ・ヴェルデ

マドンナ・ヴェルデ

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 単行本



 未読なのでよくわかりませんが、曾根崎理恵が自分の母に代理母になってくれるように頼むらしいです。


 そして、本書、ジーン・ワルツ(新潮社)


 
ジーン・ワルツ

ジーン・ワルツ

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/03
  • メディア: 単行本



医学のたまご(理論社) 既読、未紹介 ☆☆☆

医学のたまご.JPG

代理母出産で生まれた双子の一人、14歳の曾根崎薫が主人公。
ジーンワルツでは、双子を夫婦で1人づつ引き取ったことで終わっています。
理恵が引き取った子供が「忍」。
夫、伸一郎が引き取った子どもの名前がわからなかったのですが、この本で薫とわかります。
そして、ちょっとしたことで薫が東城大学医学部にとび級で入ります。
高階、田口も健在です。
担当教授の思惑で、大人の世界で翻弄される薫。
それを助ける同級生。
アメリカから息子を助ける、父、伸一郎。

海堂作品としてはちょっと異色かもしれません。



医学のたまご (ミステリーYA!)

医学のたまご (ミステリーYA!)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 理論社
  • 発売日: 2008/01/17
  • メディア: 単行本



ここら辺のことも近いうちに時系列でご紹介予定。
それでは[手(パー)]


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読書の時間 ’13の20 [本(海堂 尊)]

20 ケルベロスの肖像(宝島社)海堂尊 ☆☆☆☆☆

ケルベロスの肖像.JPG

 「バチスタ・シリーズ」の完結編と帯に書かれているだけあって、シリーズ及び外伝の主要登場人物がフルラインナップで登場します。
 
 死因不明社会をなくすためのAiの普及、それを阻もうとする警察と司法。
 これが海堂先生の著書の基本的コンセプトだと思います。
 
 全て海堂先生の著書からのものですが、改めて基本的なことから確認したいと思います。
 Aiとは何か?
 バチスタ・シリーズでは折に触れて書かれていますが、P48に改めて記載があったのでそのまま記載します。
  
 Aiとは「オートプシー・イメージング」の頭文字で、日本語だと「死亡時画像診断」と訳される。
 ずばり、画像診断による死因検査だ。
 現在、日本の死因究明制度は解剖が主体だが、現代の日本は解剖率がたった2%台しかないので、実質的には死因不明社会になっている。
 その特効薬として期待されるのがAiだが画像診断領域が死因究明制度に参入するという既得権益を侵す側面があり、解剖主体の死因究明制度の責任学会・法医学会や病理学会からは蛇蠍のように嫌われている用語でもある。
 しかもその延長線上には死因究明領域を自らの手中に無鑑査状態のまま収めておきたいという、捜査現場との軋轢も生じている。


 そして、著者の海堂先生の現在の職業。
 外科医、病理医を経て、現在は
 独立行政法人 放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター Ai情報研究推進室室長
 まさしく日本のAiの最先端にいるようです。
 これであればAiには詳しいですよね。


 また、海堂先生の著書のほぼ全部に出てくる「東城大学医学部付属病院」ですが、東海地方にある富士山が良く見える?海岸線に近いところにある「桜宮市」にあるという設定です。
 羽田空港からは高速道路を使って2時間くらい。
 (海堂先生の作品を読んで自分なりに得た情報によります)


 本の内容になりますが、
 海堂先生の著書の中でメインのシリーズですので、「田口、白鳥コンビ」が主役です。
 東城大学医学部の付属施設として建設されたAiセンターのオープンまでの話になります。
 高階病院長の元に「八の月に、東城大学とケルベロスの塔を破壊する」という脅迫文が届きます。
 「ケルベルスの塔」とは何か?
 話の流れで、Aiセンターとわかりますが、物語の後半でそのことに触れています。
 「ケルベロスの塔」とは警察庁に出回っている隠語とのこと。
 そして今では霞が関で通用する隠語になっていると。
 
 ケルベロスとは、三つの首を持つ地獄の番犬。
 Aiは死者の死因を調べる検査であり、ある意味地獄の入り口で受ける検査。
 Aiは医療の最終検査であると同時に、犯罪捜査の最初の検査でもある。
 そして、遺族にとっては救いの光である。
 このように司法、医療、そして遺族感情の三方向にそれぞれの顔を向けているので三つ首である。
 その意味で桜宮市のAiセンターは「ケルベロスの塔」と呼ばれている。 
 
 
 高階病院長は、Aiセンター長でもある田口講師に協力を依頼します。
 この時、7月10日。
 1ケ月前には「アリアドネ・インシデント」があり高階病院長が殺人犯容疑がかかっていました。
 高科病院長は、自分の後継者に田口を考えていることをほのめかします。
 田口は絶対拒否の姿勢です。

 また、「バチスタ・スキャンダル」(チーム・バチスタの栄光)から「ナイチンゲール・クライシス」(ナイチンゲールの沈黙)、「オレンジ・ラプチャー」(ジェネラル・ルージュの凱旋)、「アリアドネ・インシデント」(アリアドネの弾丸)と事件、災難が相次ぎ来院者が減少し、病院経営が綱渡り状態であることも知らされます。
 (この本は、バチスタシリーズの完結編なので過去の記述も結構出てくるので記載しておきます)

 Aiセンター運営連絡会議の委員長でセンター長でもある田口は、海千山千のメンバーに翻弄されつつ、Aiセンターオープンに向け動きます。
 このAiセンター運営連絡会議にシリーズ及び外伝的な本に出てくる主要登場人物が出てきますのでちょっとご紹介を。
 
 田口 公平(東城大学医学部講師、Aiセンター長、本シリーズの主人公)
 高階 権太(東城大学医学部付属病院院長)
 東堂 文昭(マサチューセッツ医科大学上席教授、ノーベル賞最有力候補)
 島津 吾郎(東城大学医学部放射線科准教授、Aiセンター副センター長、田口の大学時代
       からの悪友、子供から「がんがんトンネル魔人」と呼ばれている)
 彦根 新吾(房総救命救急センター病理医、田口の後輩)
 桧山 シオン(ジュネーブ大学画像診断ユニット准教授)
 白鳥 圭輔(厚生労働省の火喰い鳥、厚生労働省医療安全推進室中立的第三者機関設置検討
       委員会準備室長、本シリーズのもう一人の主役)
 姫宮 香織(白鳥の部下、厚生労働省医療安全推進室中立的第三者機関設置検討委員会準備
       室長補佐)
 天馬 大吉(東城大学医学部の学生) 「螺鈿迷宮」の主人公
 別宮 葉子(時風新報社会部記者、天馬の幼なじみ) 「螺鈿迷宮」に登場
 冷泉 深雪(天馬の同級生)
 小倉 勇一(医療事故被害者の会代表)
 飯沼   (医療事故被害者の会事務局)
 西園寺 さやか(医療ジャーナリスト) 「極北クレーマー」に登場  
 南雲 忠義(極北市監察医務院 監察医) 「極北クレーマー」に登場
 斑鳩 芳正(警察庁刑事局新領域捜査創生室室長)
 斑鳩の同伴した女性(本書では名前が判明しませんが、「ナニワ・モンスター」に登場する
           本田 苗子と推察される。警察庁外事情報部外事課関連施設潜行室
           所属)
 笹井 浩之(東城大学医学部法医学教室教授)
 陣内 宏介(東城大学医学部循環器内科教授)
 三船   (東城大学附属病院事務長、厚生労働省で白鳥の後輩にあたる)

 そして、ブラック・ぺアン1988に登場している佐伯教授(後の病院長)、手術室の悪魔と呼ばれた渡海 征司郎。
 モンテカルロのエトワール、天才心臓外科医 天木幸彦。
 
 二年前に火災により焼失した碧翆院桜宮病院とその一族の桜宮一族。
 桜宮巌雄、華緒、葵、小百合、すみれ。
 (螺鈿迷宮に出てきます)

 これらの登場人物を理解していると非常に楽しめます。
 
 ですので、バチスタ・シリーズだけ読んでいると???となることがあるかもしれません。
 
 いろいろな人の色々な思惑を秘めて、Aiセンターはオープニング・イベントを迎えます。
 そこで、過去の因縁、怨念がAiセンターを襲います。
 
 脅迫状の犯人は過去の医療事故?(ブラック・ペアン)をシンポジウムの席で明らかにし、東城大学医学部附属病院の社会的信用を失墜することに成功し、爆弾は撤去されたものの発火装置によりAiセンターを焼失させてしまいます。
 犯人は本を読んでもらうとして、東城大学付属病院は、Aiセンターの焼失、過去の医療事故(ブラック・ぺアン)による訴訟等によりほぼ倒産状態になります。


 高階病院長は、もろもろの責任を取り病院の閉鎖を宣言します。
 それにより、桜宮市の医療は崩壊することとなりますが、もし世論が病院の再建を支持した時は田口を病院長代理として再開してほしい旨を打診します。
 
 そして、サポート役に最古参の黒崎教授と厚生労働省の火喰い鳥、白鳥を指名します。
 いつもだと必ず拒否をする田口ですが素直に受けます。
 その条件として、もう一人のサポート役を指名します。
 
 そして、藤原看護士、兵藤医局長もサポート役に加わり病院の再建に少し光が見えてきます。

 そんな中、白鳥が病院の再建策として提示したのが「コールド・スリープ法」に基づく「未来医学探求センター」の桜宮市への誘致。
 実はこの話が別の本「モルフェウスの領域」に続いていきます。
 (現在読書中です)

 そして、別の場所(Aiセンターがあった場所)では、彦根と斑鳩が対峙しています。
 Aiセンターは焼失したがその考えは綿毛のように広がっていったという彦根に対し、斑鳩は「負け惜しみを言う元気はあるんですね。安心しました。では次は最終決戦、ナニワの地にて」といいます。
 まだ読んでいませんが、これも別の本「ナニワ・モンスター」に繋がるのかも・・・
 (手元にありますがまだ未読)

 Aiに関する話はこれで終わりかもしれませんが、海堂ワールドともいえるこのシリーズは外伝的なものも踏まえ、すべて読んで初めてすっきりするようです。
 時代が前後していますので、次回は海堂ワールドを時系列で示してみたいと思います。
 結構大変かも(笑)。

 撮影ポイント.JPG

 今回の本の写真もここで撮りましたが、ここが私の癒しの場所です。
 場所は、千葉県印西市にある「ヒーリングヴィラ印西の中庭」。
 周りは小さいながらも足湯です。
 ここで本を読んでいたら私の確率が高いです。(笑)

こんな感じです.jpg

 こんな感じで読んでいますので・・・

  
 最後にこっそりダイエットの現状を。
 5月15日現在マイナス18kgになりました。
 目標まであと7kg。
 ラーメン早く食べに行こう(笑)
 

続く厄災・・・


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読書の時間 ’13の18 [本(海堂 尊)]

18 ブラックぺアン1988(講談社)海堂尊 ☆☆☆☆☆

ブラックぺアン.JPG

「チーム・バチスタの栄光」のシリーズです。
舞台は東城大学医学部付属病院。
違うのは、タイトルにある通り昭和63年~平成に変わる、いわゆるバブル末期。
登場人物も皆若い。

チーム・バチスタで主人公の田口公平はまだ医学生。
病院長の高階も帝華大学よりきた講師。
新しい機器「スナイプAZ1988」を駆使し、食道がん手術の成功率を飛躍的に高める。
当時日本一とも言われ、「神の手」をもつ佐伯教授の教室に新風を巻き起こす。

主人公は、研修医の世良。
田口たちよりも2年先輩という設定。
田口が手術室で血を浴び倒れたことの記述もある。

ところでタイトルにもある「ぺアン」とは手術で用いる止血鉗子のことらしい。
カバーの絵でなんとなくわかってはいたが・・・

ブラックぺアンとは、佐伯教授が止血で最後に使う黒いぺアンのこと。

佐伯教授が、20年前に手術中に患者の体内に残したぺアンが、緊急搬入患者から見つかるところから、クライマックスを迎える。

手術室の悪魔とも呼ばれる渡海、その渡海の父親と佐伯教授の人間関係。
大学病院内の勢力争いなど、「チーム・バチスタ」シリーズのファンにはお勧めです。

また、主人公のセラが「チーム・バチスタ」シリーズに登場していないところを見ると何かあるのか?
この本も、3冊?のシリーズものらしいので一度読んだら止められないかも(笑)
そういう私は次の「ブレイズメス1990」を読んでいます。
当然世良が主人公です。
海堂先生の本はやみつきになります。(個人的感想です)
図書館に会ったら、手に取ってみてください。
それでは[手(パー)]




ブラックペアン1988

ブラックペアン1988

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/09/21
  • メディア: 単行本




ブレイズメス1990

ブレイズメス1990

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/07/16
  • メディア: 単行本




スリジエセンター1991

スリジエセンター1991

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/10/25
  • メディア: 単行本



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読書の時間 ’12の124 [本(海堂 尊)]

 前回の記事にもコメントをたくさんいただきありがとうございます。(*^。^*)
 その中で、前回ご紹介した本の実質的な作者の方からコメントを頂きました。
 好き勝手なことを書いているだけにちょっと恐縮しきりです。
 これで、作者の方からは2人目なのですが、これからはちょっと気にしながら書こうかな?(笑)
 ていうか、このスタイルは変えられないので、不適切な記載がないように中立的な読者(かなり主観が入っている)として読んだ感想等を書かせていただきます。
 今後ともよろしくお願いします。m(__)m


124 螺鈿迷宮(角川書店)海堂尊 ☆☆☆☆


迷宮.jpg


 螺鈿(らでん)って何?から始まったこの本。
 大好きな海堂先生の本だったこと、105円(当然(笑))だったことで購入。
 一気読みでした。

 今まで、「チーム・バチスタの栄光」に始まり、「ナイチン・ゲールの沈黙」「ジェネラル・ルージュの凱旋」「アリアドネの弾丸」の4作品を紹介してきましたが、この本はシリーズの外伝的な本ですね。
 
 作品の舞台は同じ桜宮市(設定では東京郊外)。
 「ナイチンゲールの沈黙」から登場してくる東城大学と双璧をなす、なしていた「碧翆院桜宮病院」が舞台。
 チーム・バチスタ」のシリーズが進むにつれ欠かせなくなってくるこの病院は、シリーズ本では詳しく書かれていない。
 
 「ナイチンゲール・・・」では、看護師が死体を解剖するように仕向けるとき、「アリアドネ・・・」では最初に登場する女性と関係者がいろいろ出てくるが、途中で病院は閉院になっている。
 特に「アリアドネ・・・」はこれを読んでいないと背景が分からない。
 
 2つの病院の設定から。
 もともと東城大学病院は、碧翆院桜宮病院からわかれた病院。
 地域医療を一手に担い、桜宮病院は経営が危なくなる。
 そんな中、桜宮病院は終末期医療を担うことで東城大学病院とすみわけを行い桜宮市に残っていく。

 東城大学で起こった「バチスタ事件」以後、東城大学では終末期医療まで行うようになり、桜宮病院への流れを絶ってしまう。
 そのような状況を打破するため、桜宮病院側は闇の領域に進んで行ってしまう。

 この作品の主人公は、東城大学医学部の学生、「天馬大吉」。
 シリーズの途中から出てくる新聞記者葉子の友達?
 シリーズの脇役である、新聞記者の葉子、白鳥の部下の姫宮等が活躍。

 「ジェネラル・ルージュの凱旋」で何のために姫宮が救急外来で研修?していたかが分かる。
 ようは、桜宮病院に潜入調査するためだったようです。
 これ以上書くと物語をすべて書きたくなってしまうので、ここら辺で(笑)

 相変わらず中途半端です。(笑)

 ちなみに「螺鈿」とは白(黒)蝶貝などの裏側で作る装飾技法とのこと。
 なぜ、医療と螺鈿が関係あるのか?
 疑問は読むにつれ解消していくが、それにまつわる悲しい思い。
 人生の悲しいアヤ、そんなことを感じさせる一冊。

 バチスタシリーズを楽しいと思う人は是非ご一読を。
 図書館にあるといいが。


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螺鈿迷宮

螺鈿迷宮

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/11/30
  • メディア: 単行本





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