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読書の時間 ’12の88 [本(京極夏彦)]

88 死ねばいいのに(講談社)京極夏彦 ☆☆☆☆

初めて読む京極作品。
帯に書いてあるように「王様のブランチ」で紹介されて知った本。
いつか読もうと思いつつもそのままに。
先日ブックオフで105円のコーナーにあったので購入。

2009年から2010年にかけて小説現代に掲載。
単行本化にあわせ描き下ろしを追加している。
読んでみて思うに、この描き下ろし部分がないと欲求不満な感じです。
単行本化正解です。


死ねばいいのに.jpg



主人公の青年、ケンヤ(本名 渡来健也)が殺人事件で自宅マンションで殺された鹿島亜佐美のことについて近親者、関係者に聞いて回る話を人ごとに区切って構成されている。
ケンヤは高卒、無職、バイトも長続きしない、言葉遣いも出来ない(敬語等はもちろん使えない)という今風の青年。
私なんか読み始めて、なんだコイツ<(`^´)>ぶっ飛ばすって感じです。
話し方というか言葉遣いがめちゃくちゃなんです。
しかし、話はロジックなんです。
相手の話はちゃんと聞いて自分の意見をちゃんという。

基本的に6人の人との対話です。
小説現代の時は5人まで。
1人目。派遣社員であった亜佐美の派遣先の上司。
中小企業の中間管理職。
家族で、会社で不当な扱いを受けている、自分は精いっぱいやっているのに・・・
しかし、ケンヤに論破されます。
そして、亜佐美と不倫関係であったこともわかります。
ケンヤは亜佐美のPCや携帯からわかっていたといいます。
この時点で、犯人はもしかしてケンヤとちょっと疑います。

2人目は、マンションの隣人の女性です。
亜佐美は尊敬していたようです。
しかし、彼女も自分は優秀なのに不当な扱いを受けている。
彼氏も亜佐美に寝取られたといいます。
でもその話も、ケンヤによって論破。自己中であることを思い知らされます。
そして、彼氏も亜佐美を強姦であり、その後ストーカーになっていたことがわかります。
そして、この女性は亜佐美に執拗ないやがらせメールを送ります。
職場にまで。
しかも、それをケンヤはPCで確認します。それも消したとのこと。
ますます、ケンヤを疑うとともに容疑者が増えていきます。

3人目は、亜佐美の愛人?
ヤの字です。今風に言うと反社会的勢力に加入している構成員です。
亜佐美は20万円の借金の方に取られたことがわかります。
そして、兄貴分から10万円で買わされたことがわかります。
亜佐美のことはおれのもの、所有物とさえ言います。
しかし、ケンヤが論破。
ストーカーが急に姿を消したことの謎もわかります。

4人目は、亜佐美の母親。
亜佐美の出生もことがわかります。
この母親も自己中です。
小説だとわかっていても、嫌になってきます。
その考えも、ケンヤに論破。

5人目は、警察官です。
亜佐美が殺された事件の担当責任者。
この人もやっぱり自己中。
亜佐美の知り合いなのに、対象となっていなかったケンヤの存在がわかってから、対応が変わってきます。
警察の知らない情報も持っているし、警察が関係者に関係者が合う前にあっている点などに興味を抱きます。
しかし、話的にはケンヤの勝ちです。
最後の言葉を除けば・・・

警察官に対し、ケンヤは最後に「アサミ殺したの俺だから」と言って終わります。
小説現代ではここまでだったようです。
これじゃ~もやもやしたままですよね。
ここまで書きませんでしたが、ケンヤはあった関係者一人一人に「死ねばいいのに」と最後に語りかけます。
ここが、タイトルに繋がっていくのですが。

単行本化されて追加された6人目は、国選弁護人(士)との会話です。
ここで、亜佐美を殺した経緯が判明します。
ケンヤが何故「死ねばいいのに」と言っていたかもわかります。
また、何故関係者に亜佐美のことを聞いて回ったのかも判明します。

そして、最後に「君は人殺しだよ」と言われて安心したような態度をとります。
これは6人目の弁護士さんとの会話を読まないとわからないと思います。
秀逸な作品だと思います。
梅雨で予定がキャンセルになった日などにゆっくり読んでみてはいかがでしょうか。
それでは[手(パー)]


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ポッチとしてくれると助かります。(*^。^*)





死ねばいいのに

死ねばいいのに

  • 作者: 京極 夏彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/05/15
  • メディア: 単行本





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